2012/05/15

028:脂(青野ことり)

 
じゅと溶ける牛脂の匂い 贅沢をこれからするという心持ち


027:損(青野ことり)

 
損なわれたところそろそろ埋めてゆく気づかぬくらいゆっくりでいい


026:シャワー(青野ことり)

 
おひさまの光のシャワー ひと群れのすみれ つぼみをつけた紫陽花


025:触(青野ことり)

 
すれ違いざまに触れ合うこともなくただいまという声も遠のく


024:玩(青野ことり)

 
二十年も前の玩具がころがって 押入れの隅 暗い夕方


023:必(青野ことり)

 
泣かないよ寂しくなんかないんだと必死になればなるほど裏目


022:突然(青野ことり)

 
押し寄せるものをなだめて押し返す 突然のふりして降る雨だ


021:示(青野ことり)

 
ウマクイクウマクイクって自己暗示 それとこれとはまた別のこと


2012/04/23

020:劇(青野ことり)

 
劇中劇のように観ているいまここで刻一刻と起きていること


019:そっくり(青野ことり)

 
そっくりね (二十五年後こうなるの) 電話の声とうしろ姿が


«018:希(青野ことり)

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